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―千石からの贈り物― 九月九日。 千石清純は悩んでいた。 明日は同じ部活仲間の一人が生誕を迎える。別に特別なパーティーをする訳でもないのだが、皆とは違う…趣向を凝らしたものを是非彼にプレゼントしてみたかった。 平凡な物じゃつまらない…、こう心に残るような盛大な何かを企画したい… 「地味’Sの片割れが喜びそうな物〜、うーん…」 そういえば特に趣味も聞いた事がない。 「東方…東方……東方と言えば南、南と言えば東方」 きっと地味’S繋がりで…なのだろう。二人が聞けば凶悪な顔して怒鳴り散らしてきそうだ。しかし千石から見て、そう連想させてしまったのだから仕方がない。個性が見出せなかったのだ、残念ながら。 「う〜〜ん………よし!」 何かいい事でも思いついたかのような千石のニヘラ〜とした顔、慌てて自分の部屋にある机の一番下の大きい引出しを開けた。そして何かを視界に捉えると、納得したように数回顎を下げて頷かせた。 「待ってろよ〜、地味’S。明日は最高のプレゼントをあげちゃうもんねー」 …一応東方の誕生日合わせだということは覚えているんだろうか、千石さん。 考えついた後はさっさとベットに潜り込んで、心地いい夢の中でカワイイ女の子探しに出かける千石なのであった。 九月十日。 東方雅美誕生日当日。 朝から山吹テニス部部室内は大変な賑わいであった。一年に一度だけ(身近な)世界の主役になれる日なのだ、普段から地味’Sと呼ばれている東方が嬉しくない訳がない。 ちなみに南も何かプレゼントらしき物を用意していたらしく、皆がいない間にこっそり相方に差し出していた。 そして嬉しそうに幸せそうに笑いあう地味’S…そんな彼等を目撃した千石はウンウンとその頷きの意味は分からないが、どこか納得したように今日もニヘラ〜と笑っている。 ―勝負は放課後だね……― こうして山吹中の朝は過ぎていった。 学校が始まっても千石は特に動く事はなく、いつも通りの生活を送っている。 昼休みも特に変化なし。 授業が終わって放課後となった今も、平和そうな顔をして真っ直ぐ部室に向かっている。…いや、むしろ寄り道しない真面目な千石が今日一番おかしい行動だと言えよう。 しかしやはり普通に練習へ参加するだけで、昨日の寝る前に考えついた秘策はどうしたんだと尋ねてみたくなる。 だが千石の狙いはまさに部活後…だったのだ! 練習が終わりそれぞれ自主練に励む者、帰る者に別れる。そして千石は地味’Sの二人は必ず居残る事を知っている。むしろ鍵当番が南なので、毎日一緒に帰っている東方も結果的に最後まで残っているのだ。 千石は必死に裏工作を始めた、こそこそ一人一人の部員に耳打ちをして、自分が望む形を目指す。 視界に南が一人でタオルを首にかけてフラフラ歩いているのを目撃すると、猛スピードで側へ寄って行った。 …いやしかし本当に東方の誕生日だって覚えているのだろうかっ!? 「み〜なみっ!お疲れさーん、どうどう今日のオレは真面目だったでしょ?」 肩をポンと叩いて、日常会話を切り出した。するといつも通りの反応をお決まりのように南が返してくる。 「お前なあ…真面目に部活に来るのが当たり前だろ?普段が不真面目過ぎるんだから、今日ぐらいので感動なんかできるか」 「おやまあ…冷たいご意見で…部長」 口からベラベラと、とにかく時間を稼ぎたい千石。自分が何を言ったら南が突っ掛かってくるのか、全て計算済みだ。必死になって反応を返してくる南を見てると、その真面目さに感心すらしてしまう。 その頃テニスコートでは物凄い勢いで皆が去っていくのを東方は不思議そうに眺めていた。珍しく撤収が早い今日と言う今日…帰りに南の家に寄る約束をしている東方にとっては早めに部室を締めて南と一緒に帰れるのは極めて嬉しい事だ。その分長い時間を過ごせるわけだし。 しかしそう言えば南の姿が見当たらない。 妙な胸騒ぎを覚える東方…だが考えすぎだろうと、この時はまだ冷静さを失ってはいなかったのだ。 そして更に場面が変わり千石と南。 決着のつかない会話に南が大興奮しながら熱弁を振るっている。あっけらかんな態度の千石はとても身体の力が抜けている。人間、不器用と器用の差が寿命を縮ませていくのだ。ストレスを溜めてはいけません。 しかし南にはそんな未来の事より目先の心配が何よりも優先なのだ。 我らが部長の頑張りさには、部員全員が敬意を表してる。それをネタにからかう者も当然存在するが… 「まあまあ南、そんなに怒ってばっかりだと血圧上がるよ?」 「誰のせいだと思ってるんだよ、少しは反省しろ」 南が声を張り上げすぎて少し疲れた表情を見せてきた、微妙に息もあがっている。 千石はキラーンと目を光らせて早速目的を果たそうとする。 こそこそ後ろ手に持っていた小型のペットボトルを南の目の前に差し出して、ニッコリ微笑む。 「や〜〜反省してますしてます。お詫びと言っちゃ何だけどコレどーぞ」 ボトルのラベルにはポカ○スエットのロゴ。 千石の作戦とは…南を怒らせて怒鳴らせて、喉を渇かせて今自分が手に持つドリンクを飲ます事だった。そして当然中身はただのスポーツ飲料などではない。もちろんそんな余計な事は南には内緒だ。 「ふーん、ポカリ?何だよ…珍しく気が利くじゃないか。まっ、サンキュー…いただくぜ」 何も疑うことなく、受け渡されたボトルのキャップを開ける。その動作をジーと見つめる千石。南は機嫌良さそうにボトルを口にあてて、そして一気にゴクゴクと喉に流し込み始めた。 ―えっっ!?― その勢いさに少々焦りを覚える千石。実は一口二口で事足りるはずだったのだけど…明らかに南は内容量の半分を体内に補填させた。 「あらまあ〜…」 冷や汗をかきながらそう呟いた千石に南が口を止めて、何だ?と話し掛ける。当然なんでもない!と首を振る千石なのだが。 「ふー、悪いなあ〜半分くらい飲んだよ、まあいつもの仕返しってことで」 楽しそうに軽くなったボトルを千石に返す南、ちょっとした嫌がらせのつもりがこの後とんでもない事態を引き起こすことになるとは…本人は到底気がつかない。 「えっあーまあー…うん、全然オレは構わないんだけどね〜。あっ南、じゃあまた明日〜」 既に制服に着替えていて逃げる態勢万全な千石は、最後まで微妙な笑顔を振り撒いたまま南の前から姿を消した。 妙な千石の去り方に呆然とその場に立ち尽くす南だったが、あまり気にも止めず本来の目的である水道へ顔を洗いに行くのであった。 その頃逃げ出したはずの千石は… 制服に着替えて誰かを待つような…本日の主役である東方を外で見つけた。 南の時と同じように他愛もない話を切り出して、時間稼ぎするような行動を取っていた。 適当に会話を繋げて、千石は時間を気にする。 なるべく長い時間、東方を足止めしておく必要があるのだ。 ―うん、よしよし。東方もこっちの思惑には何にも気づいてないなあ― 千石は事の運びの簡単さに余裕の笑みさえ零していた。 ―さてさて…そろそろ南の方が動きだしかなあ…― 千石の狙い通り…その頃南は強烈な立ち眩みに襲われていた。 あの後…顔を洗ってさっぱりし、着替えに部室へ向かおうと歩いていた時だった。 身体に目まぐるしい変化が訪れたのは… 一瞬立っていられなくなりその場に蹲ったが、そこで倒れてしまう訳にもいかず、残された力を振り絞って部室を目指した。 ゆっくりと歩みを進めて、視点のあわない目線が何度も辺りを彷徨う。額には大量の汗、次第に呼吸までも乱れていく。 「はあっ、な…なんっだよ……これ…」 とにかく早く横になりたくて、縋るように部室の扉を開けた。すると何故だか部員は誰一人いない。しかし誰もいない方が返って好都合かもしれない…と強がりな南は息を吐く。靴を脱ぎ段差を上がって板の間に寝転がる。 「はあっはあっ…、苦しっ…」 冷たい床が心地良く感じる。しばらく大人しくしていたら落ち着くだろう…と考えていた南は、ただジッと身を動かさず耐え続けた。頭の片隅で…悪い病気にかかってたらどうしよう…と不安を覚えながら。 「………っ…」 全身が大きく震え上がり、急激な発熱を起こしたように顔が真っ赤に染められていた。待てば待つほど症状が治るどころか悪化する我が身、それよりもやけにある部分が熱にうなされていた。南は恐る恐るそこへ布の上から手を這わせていく。 すると触れた瞬間にビクッと大きく南の身体が跳ねた。 「…っ!…まっ…まさ…かっ…、うっっ!」 頭の中で今の自分の状態を認識させた後は、もう堪えようがなかった。 意識とは反対に場所など考えずそこは変化を遂げていく。全身の熱がいつの間にかそこに集中してしまったかのようだ。 身動きの取れない南は一人で悶えながら、目の前に広がるロッカーを眺めた。普段ならゴチャゴチャと散らかっている部室が今はすっかりと人の気配を感じさせなくなっている。 ―皆…帰ったのか?― カギ当番である自分が一番最後なのは、いつもの事だ。 南の意識の中で嫌な考えが浮かび上がった。 もし…残っているのが自分一人だけなのなら… 南は結論を出してしまう前に、一足先に我慢を忘れた身体が暴走を始める。いつも一緒に帰宅する者の存在を都合よく忘れて、今起きてる身体の異変に対処した。 おもむろに手を下腹部に伸ばし衣服の中へ忍び込ませ、快楽を訴える自身を少々乱暴に握りこませた。 「ふっっ、んんっ……っ」 なるべく声を抑え、欲しがる身体に応急処置を施す。縮こまる身体に性急に動く右腕。 普段の彼なら絶対に校内でなど、そんな淫らな行為に及ばない。 でも理性が失われていくのだ…自分で慰めれば慰めるほど。 もしも神様がいるのなら、今すぐ助けにきてもらいたいくらいだ― そして一方その頃、千石の弾丸トークを聞かされている東方は精神的にグッタリしていた。相槌を打つだけでもこんなにも労力を必要とする。 しかしそんな長丁場な話にも、ようやく終わりが訪れたみたいだ。 「…という訳なんだ。…おっ!…えーと…あっ東方への誕生日プレゼントを部室に置きっぱなしにしてきちゃったんだ。悪いけど受け取ってくれるかな?」 慌てて時間を確認した千石は、本日の最終目的を無事やり遂げる為に東方へ部室に向かうよう仕向ける。自分宛てのプレゼントが置いてある…と言われて東方も決して悪い気はしない、むしろ申し訳ない気持ちを抱くはずだ。 「えっ?そうなのか?…悪いな千石、ありがとう」 ほら、案の定簡単に千石の思惑どおりの反応だ。 しかし今部室と言えば…とんでもない修羅場が待ち受けているというのに… 東方はそんな事は露知らず、部室へと向かう。 ―そういえば南はどこにいったんだ?一向に外で待ってても出てこないし…― 帰る準備万端の東方だったが、ひょっとするとまだ部室に南が残っているかもしれない…そんな期待も込めて歩みを速めていった。 それを校門付近から眺める千石。他のテニス部員が誰も居残ってないのを確認して、自分もさっさとその場を離れていった。先程部員達に耳打ちしていたのは、早く帰宅する旨を伝えただけ。 全てが計算通りで少々恐ろしいくらいだ。 乾いた唇を一舐めして、口元に笑みを浮かべ、学校から離れていく千石… とにかく一番恐い存在なのは、千石清純で間違いなさそうだ。 そして東方だが、静まり返ったテニスコートを横目に確実に部室との距離を縮ませていた。 「今日は本当に皆帰るの早かったなあ…まさか南も誰かと一緒に帰っちゃったのかもな…」 ブツブツ独り言を零しながら、部室の目の前までやってきた。 ―閉まってたりして…― もし南が帰宅済みなら閉まっているはず、校内に残っているなら開いてるはずだ。 ドアのノブに手をかけ、ゆっくりと腕を引こうとしたその時… ―あれ?中から声…― 「ぅっ……っ」 小さな声だったけど呻き声のような…何となく南の声に似ていたような気がした。 ―え?…南?― 東方は特に深く考えずにドアを開いた。 小さな開閉の音と共に、薄暗い中へと踏み込んだその先には… 「うっ、ハア……んんっ…あ…」 入り込んですぐ、ドアの外から聞こえていた呻き声らしいものが大音量で東方の耳に纏わりついてきた。そしてそれは人が苦しむような声でない事に彼は気づいた。 一瞬思考が凍りついたが、それを必死で解かし首を声のする方へゆっくりと傾けてみた。 すると視界には床に倒れこんで何やら湿った声をあげている、上下ジャージ姿のままの南がそこにいた。 電気も消されていて…こちら側に背中を向けられて、はっきりと確認が取れた訳ではないけど、東方は一瞬で目の前で何が繰り広げられているのか察知した。 「みっみな…み…」 呆然とした表情でそこに蹲る相手の名を口から零した。 「あっ!……っ…」 その人物は名を呼ばれビクッと大きく反応を示した。 身体を硬直させて、淫らな手の動きは止まる。 そして同じく首を傾けて、入口付近に視線を泳がせた。 二人はこうして目が合う。 「あっ…みっ南!こんな所で、なっ…何やってっ!」 しかし重なる視線も一瞬で終わり、すぐに二人は目を逸らせた。東方も慌てて身体を後方のドアに縋りつく形で南に背を向けた。 強く目を瞑り、悪夢のような光景を捨て去ってしまいたかった。 まさかあの南が部室でそんな…… 滅多な事では羽目なんて外さない…あの南が、東方の受けたショックは計り知れないものがあった。 冷静でいられないのは、あまりの事に脳が混乱を起こしているせいも勿論あるのだが。 衝撃がなかなか収まらない東方を正気にさせたのは、未だ呻く南の存在自身であった。 部室に入った時のような艶のある声ではなくて、今は本当に苦しそうな声が東方の耳に届いていた。 どうやら南の様子がおかしい。 「うっ…ふっ…うう…」 「………」 「はあ…う…っ、ううっ!」 「……!」 ドアに押さえつけていた頭部を東方はゆっくりと離し、そして再び南へと視線を這わせた。先程と何ら変わりのない体勢…しかし南が顔を歪ませて、尋常でないほど汗を額から流していた。 よく見ると涙も零している。 「み…南?……どっどうしたんだ?」 今頃南の異変に気がついた東方、慌てて靴を脱ぎカバンをそこらへ放り投げて、板の間に上がり南の後頭部辺りに膝を下ろした。 「うっっ…うう…っ!」 近くで見る南の姿は、いつものあの南ではなかった。案外プライドの高い南は、滅多に人前で弱い姿を見せようとはしない。ましてこんな誰が来るかも分からない部室で、みっともない姿など普通であれば見せる訳がない。 つまり何か緊急の事態が南を襲っているのだ。 「南っ?だっ大丈夫か?どっか苦し……」 労わりの言葉をかけて、できる事ならば自分がその苦しみから救ってやりたかった。しかし南は東方の言葉に対し何度も首を横に振る。そしてやっとまともな言葉が出たかと思うと… 「ひっ東方……はっ離れてっくれ…っ」 見事に拒否されてしまった。 「こっこんな南を放っておける訳ないだろう?」 東方は戸惑うがそれでも少しでも楽になれるように南の背中を摩ってあげる。だがそれに対して南が過剰な反応を見せた。 「うわっっ、あっ…触るなっっ、たっ頼む…から……あっちにっ…いけ…」 大きく身体を揺らされて手までも拒絶する。 だがどうにも様子がおかしいのだ。 南に振り払われて少し冷静さを取り戻した東方は、彼に今何が起こっているのか大まかでいいから頭で検討し始めた。 小刻みに震える身体… 額の大量の汗… 目から溢れ出る涙… 濡れた右手… 床に行為の残骸… そしてまだ収まりを見せない下腹部… 大きく揺れている南の濡れた手が欲しがるそこに伸びないように、必死で残された理性によって制止されているようにも見える。 ―オ、オレがここにいるから……南― 本当は今すぐにも欲しくてたまらないのだ、我慢できるような状態ではない。 「南………ひょっとしてツライの………ここ?」 東方は南の背中越しからそっと手を伸ばして、先程から痛いほど快楽を訴えている箇所に触れた。 「ひっ!…ふっ…っ、んんっ…」 すると再び全身を大きく震わせ甘い吐息が零れて声を発して…目尻に涙を溜めた。 だが今度は拒絶される事はなかった。 振り払われない…ということは、これは南からの無言の懇願なのだと東方は解釈した。 そうとなれば自分の使命は自然と決まってくる。 東方は迷うことなく、南のモノを優しく握りこみ上下に手を滑らせた。 「あっ、ああっっ…ふうっ」 自分で慰めるよりも他人に触れられた方が気持ちが良いのか、南は遠慮なく甘い声を張り上げた。いつものように固く口を閉ざす事もなく、感じたまま素直に反応を示す。 「あっあっ、…ああっっ、ん……」 何度も同じ動作を繰り返していると、南はあっけなく東方の手の中で達した。一体これが今日何度目の到達なのか…南の様子からして気になるところだ。 「どう?少しは楽になった?」 横たわったままで余韻に震える南に優しく囁く。しかし返事はなく、東方は仕方なしに汚れた手をどうにかしようとその場を離れかけた。 けれども… グイ。 南に裾を掴まれて、それ以上身動きは取れなくなった。 「南?…まだ苦しい?」 何かを訴えようとしているのか、潤んだ目で南が睨みつけてくる。しかし見つめ合ったところで相手の意図まで汲み取れない。ある程度言葉で示してくれないと… 「…み、南?」 再度言葉を求めると、南は上気した顔で少し恥ずかしそうに…噛んでいた唇を解放させて少しづつ口を開いた。 声を聞き逃すといけないので、東方は少々耳を近づけた。 「あ…そのっ…、う…後ろ…も…うず、く…」 南の言葉を全て耳に収めた後、東方はそのあまりの内容に身を大きく引いた。一瞬脳震盪でも起こしそうになった凄まじい衝撃。 だがこの南の願いには例え緊急事態と言えども、すんなりと「はい、分かりました」と答えられるはずがなかった。ちょっとかなり冒険の香りがする… 「みっ南っ……ここはその〜…ぶっ部室だしさ、やっぱりそれはっその〜〜…」 東方は一気に小心者になった気分だった。南が照れながらでも言ってくれたその言葉に自分はしっかりと胸の高鳴りを覚えたのに。 二人の間で無言が続く。そこまで理性を失いきれない東方と、もうやれるとこまでやってくれ状態の南。 放置されればされるほど南の身体は自分自身に激しく熱を訴えてくる。また苦しい時間を過ごさなくてはいけないのだ。 「南………どうしても?」 東方の問いかけに南は一度だけ首を縦に振った。 2へ続く。 |