*南から東方への友情度が10%低い理由* ※まず初めに…このSSは7月に発売された『Smash Hit』のゲームネタです。このゲームの中に、好きなキャラ同士ダブルスを組ませてプレイできるという萌えシステムがあります。更に『友情度』というものがあって、メインキャラ(自分がプレイする)を選び、その後サブキャラ(コンピューター)を選ぶと、その2人の初期段階の友情度が現れます。メインキャラ→サブキャラの数値なので、友情度というより信頼度?みたいな気もします。そして問題なのが、メインとサブのキャラを逆に置き換えてみると数値に変動がでる場合があるのです。 管理人は南と東方でプレイしていたのですが、何故かこの2人…友情度が一緒ではなかったのです。 東方(メイン)→南(サブ)……70%!(高っ!ちなみにゲーム中2位の数字です・笑) 南(メイン)→東方(サブ)……60%!(なぜか10%低かった!) この微妙な差に疑問を感じた管理人(笑)は、ふと友情度を決める前日に2人の間に何か起こったのではないか?と一瞬にして妄想を膨らませてしまいました。このSSはそんな妄想の産物なのです… ※少々大人向な表現が存在しています、苦手な方は即お戻り下さい! ■■■ 「なあ南、今度さ…発売されるテニスのゲームに、キャラ同士の友情度ってのがあるらしいんだけど…俺とお前、70%くらいでいいよな?」 今日、南の家に泊まりに来ていた東方は、明日提出の紙をジッと眺めていた。そこには色んなキャラとの友情度を書き込む欄があって、東方は適当に数字を埋めていた。一応南とは一緒にずっとダブルスを組んでいる仲なので、他のキャラよりも数値を高めに書いている。 本当は既に友情を通り越して、互いが互いに愛情を持ってしまっているのだけど。 「うん…いいだろ、それぐらいで……俺のにも70%って書いておこう」 同じく深く悩んでいない南は、東方と同じよう紙に友情度を書き込んだ。これで2人はようやく全ての欄を埋める事ができた。 「あ〜〜終わったっ!もう多すぎるんだよ、項目が…」 一つ一つ真剣に答えていないにしても、あれだけのキャラの量を一人ずつ友情度決めていかないといけないのだ。もの凄く肩の凝る作業だったと南は思う。 東方も大きく伸びをして、南の部屋の床に寝そべった。 「おーい、そんなとこで寝転がってないで、先に風呂入ってこいよ、その間に布団敷いとくからさ」 一応客人の東方に、自分よりも先に風呂へ入るよう指示する。自分の両親も早めに風呂に入っていたことは知っていたし、後に残されているのは自分と東方だけなのだ。 「悪いな、先に入らせてもらうよ」 東方も南の言葉に身体を起こして、持ってきた着替えを手にし、慣れたように南の部屋を出て階段を下りていった。彼等にとって互いの家に泊まりに行くということは、もう大して珍しいことでもないのだ。 南は急に静かになった部屋で、しばらくボーッと空気の音を聞いていたが、今自分がしなければいけないことを思い出して押入れから客用の布団を1セット取り出した。そしていつものように自分のベットの横へ布団を敷いた。 「よし、これでいいだろ」 南は部屋に置いてあるものを全て端の方へ追いやり、なるべく広い空間を作り出そうと努力した。普段からそんなに散らかすタイプではないので、時間はさほどかからない。東方が風呂に入ってる間で事足りるのだ。 部屋の状態に満足した南は、階下で風呂場の扉が開く音を耳にした。我ながら時間ピッタリだ。 「悪いな、先に借りたぞ」 バスタオルで頭をガシガシ豪快に拭きながら東方は南の部屋に戻ってきた。Tシャツにハーフパンツ姿で楽な格好に着替えている。 南もすぐに部屋を出て、今日一日の汚れを落としに風呂場へと向かった。 いつもは長風呂派の南だが、さすがに今回は多少時間を縮めて早めに部屋へ戻る。 「あれ?今日は珍しく早いなあ、ゆっくり入ってきても良かったのにー」 敷かれた布団の上で雑誌を捲る東方、南の姿を目で確認しなくてもドアの開く音で南が帰ってきたことぐらい分かる。 「ああ…別にいいんだよ、早く出る時もたまにはあるし…って………ん?」 南が何かに気付いたような声を上げて、東方はふと南の方を向いた。するとこちら側をジッと見ている南がいた。 「何だ?……何か顔についてるか?」 そう言って自分の顔を腕で拭いだす東方。しかし南は首を横に振る。 「違う違う、な〜んか別人みたいだな…と思ってさ」 そして南は東方に近寄り、先程洗われて既に乾きかけている髪を指先で掴んだ。 「何だよ、いつもは地味な髪型で悪かったな」 珍しく南に対して毒を吐く東方。しかし面白がっている南の方を見てみると、自分と同じく別人状態の人がここにもいる。 「はは、南だって誰だか分からないぞ!」 お返しと言わんばかりに、南と似たような言葉を吐いて、自分も指先で南の洗い立ての髪を掴む。濡れている髪がツルツルとしていた。 「このヤロー!お前の方こそ誰だよー」 クシャクシャと髪を掴んでいた手で、髪全体を乱れさす。すると向こうも負けじと手を動かしてきた。2人で意地になりながら、相手を懲らしめる。しかしどちらも降参する気配はなく、次第に我慢できなくなった笑いを零しながら…2人は同時に手を離した。 「ハハハハハッ、変な頭〜東方!」 「ハハハッ、南こそ変だぞ!」 もうすぐ日付けが変わる時間帯だというのに、大声でのはしゃぎ様…もうしばらくこの状態が続くと南の両親が怒ってこの部屋を訪れるかもしれない。 「もうやばい、笑いすぎ!」 南は必死で自分の笑いを堪えて、東方の口を手で塞ぎこんだ。 「うぐっ…」 やっと静かになった部屋だが、今度は逆に静寂を重苦しく感じ、2人は何となく気まずい思いを抱えた。現在学校で見てるような髪形を2人はしていないが、別に髪を下ろした互いの姿を見たことがない訳ではなかった。何度も泊まったり泊まりに来たり繰り返している2人なのだ。 好条件が揃ってしまえば、大人がするような事も始めてしまったり…… 「……おい東方、お前なんか顔赤いぞ?」 そう言って、口を塞いでる手を離してあげる。 「……南こそ赤いぞ?」 どうも何となく2人の間の空気が、ある意味嫌な色に濁ってきてしまった。 キッカケなんていつも突然なもので、2人が同時に自分の中で盛り上がれば成立なのだが… 『明日、まだ学校あるんだよな……』 同時に同じ悩みを心に唱えた2人。 更に部屋は少々離れているとはいえ、南の両親が同じ二階で寝入っているのだ。 妙な声なんかあげてしまったら、それでジ・エンドだ。 シーーーーン……… 続く沈黙に…心では異論を唱えながらも自分達の中では確実に欲求が膨らんでいく。 『まずい、まずい、まずい!』 どこまでも気が合うのか、その場で考える事がいつも一緒だ。 自分の心臓の音が大きく鳴り響いてる中、南は自分と一向に目を合わそうとしない…一応恋人(!)に何となく申し訳ない気がして、どうにもこうにも無理な状況に詫びる為、自分からそっと不意をついて軽く唇を押し当てた。 途端東方の身体は大きく反応したけれども、南はほんの一瞬でそれを相手から離した。 「……それで我慢しろよ」 それから顔を俯ける南は、ボソ…とその言葉だけを零した。 南からしては、色々考えた末の行動だったんだろうけど…東方からしてみれば蛇の生殺しのような仕打ちである。これでは我慢していたものも、セーブが効かなくなってしまう。 「う…、み…南っ!」 とりあえず直感だけで東方は南を無造作に抱き寄せた。 ギュッと強く腕に力を込めるものの、次の瞬間には頭に大きな打撃をくらわされていた。 「アホかっ!我慢しろって言っただろ!?」(小声) 簡単に拘束を解かれて、痛みに頭を抱え蹲る東方。我ながら情けないと思っている。 目の前で当然の如く怒る南、普段は羽目を外さない東方も今回ばかりはバカな行動を取ったと反省はしている。 しかし心の問題と身体の問題は別なのだ。 東方は突然立ち上がり、南の部屋から出て行こうとドアへ向かう。そのいきなりな行動を目の当たりにした南は不思議そうに東方を見る。 「おい、どこ行くんだよ?」 素で尋ねてしまった、こういった時にだけ鈍感な南を東方は少々恨めしく思う。男なら無言で見送ってもらいたかった所だ。 「どこって……その、ちょっと悪いけど借りようかと……」 具体的に言わなくても分かってほしい!東方は背後の南に願った。人一倍身体が早く成長してしまったおかげで、そういった欲求が早く身体に現れるのも仕方がないと彼は思う。 しかし南も決して成長が遅いとは言えないが。 何も言ってこなくなった南に、やっと安心した東方はドアのノブを掴み部屋を出て行こうとした。 だが突然… パッ 明るかった部屋が暗転した。 真っ暗な視界に戸惑う東方、すると南は腕を掴んできた。 そして無言で部屋の中へと再び引きずり込んでいく。 「南っ!?おい、ちょっとっ」 何が起こったのか分からないまま、南に引っ張られ止まったかと思えば身体を押される。 「何だ何だっ!?」 南に導かれるがまま、東方はベットの側面に座らされた。その時思ったことは、まさか自分から我慢しろと言ってきたくせに仕掛けようとしているのか?…だった。 一気に不安さが増す東方に、やっと南が口を開く。 「おい、しばらくそこで大人しく座ってろよ」 すると目の前に立っていたであろう南の姿が一瞬消えた…ように感じた。しかし気配は下へと移動していて、そこで相手は消えたのではなく座り込んだのだと東方は認識した。 「み…南?な、何する…つもり…だ…よ」 嫌な予感が身体中に走る。 「!」 視界が暗い中で神経だけが研ぎ澄まされる中、とても危険な部分に南の手の感触がした。がさごそと自分の衣服の紐を解いて、下へずらされて、とんでもないものを取り出された。 「!!」 ―まずいっ!それはまず過ぎるっ、南!― 「……声出すなよ、後…下見るな」 か細い南の声が聞こえたきた瞬間、下半身に妙に生暖かい感触が走った。 「うわっ!……うぐっ」 驚いて思わず何も考えずに声を張り上げてしまった、すると途端に南が口を手で塞いでくる。 「声出すなって言っただろー?」 小声でも怒った口調がしっかりと伝わってくる。 「南こそ、何バカなことっ……うっ」 反撃しようと東方は口を開くものの、すぐに先程の行為の続きが始まってしまって、それどころではなくなってしまった。 ―南の奴〜〜……っ― 急に大胆になる一応恋人(!)を持つと大変だ。 下から卑猥な音が聞こえてくる度に、頭が真っ白になる。 相手がこんな行為をしてくるのは初めてだ。 「………っ」 見るなと言われたが、こんなに真っ暗で見える訳がない…と東方は思う。しかし一応視線を上に向けて、うっすら見えている天井を眺めている。 心で平常心を唱えていると、南の声が聞こえてくる。 「…もし…イきそうになったら言えよ…」 「………う、うん」 折角の平常心が見事崩れた瞬間だった。そんな事を言われたら、嫌でも下の状態が気になってしまう。何やら南の舌らしきものが、表面を滑らせているけれど、凄く意識してしまう。 ―変な事言うなよなー、南― 必死で違う事を考えようと努力していた東方だが、一度意識し始めれば脳裏にその光景ばかりが映し出されていく。想像するだけで熱が下腹部に集中される。 「んっ」 下で苦しそうな南の声。 それだけでまた想像力が豊かになる東方。 ―まずいっ!……でも口でされるのって、こんなに気持ちがいいんだ…― ふと冷静になってみる。気を抜けば達してしまいそうだったので、少しでも長くこの状態でいてたいような欲望が湧く。 二度目があるのかどうか分からないラインなので。 忍耐を心掛けて、少し心に余裕を持てた東方は無意識に南の頭を手で撫でた。南は相変わらず苦しそうな声を上げるけど、撫でられた瞬間身体が反応していたように思う。 何も考えずにひたすら頭を撫で続けていたら、南が口の中からそれを離したのが感覚で分かった。それから手で支えられて舌の感触がピリッと……… 何となくその瞬間に、健気な南が気になって、あまり深く考えず視線を天井から下ろし現場へと定めてみた。 「っっ!」 そしてきっと見てはいけないものを見てしまったのだろうと東方は思う。 自分の足の間に座り込んで…自分のを口に咥えこむその姿を直で目の当たりにした時、東方は我慢という言葉を忘れた。そして自分の中での欲望が見事に弾けたのだ。 しまった!と思うが、後の祭り。 「うわっっ!!」 案の定驚く南の声が下から聞こえてきた。もう東方は恐ろしくて下を見れない。 「………おい」 その南の声だけで、怒りのオーラがヒシヒシと伝わってくる。 「ゴメン、本気で悪かった…」 謝るも、静まりそうにない南の怒の気配。 「言えって言ったよな、俺……」 わなわなと震え上がる南。 「う…うん、本当にゴメン」 東方もう一度謝罪の言葉を口に述べ、それからベットに備え付けてあったティッシュに手を伸ばし、南の顔に付着した自分の放った残骸を拭き取る。 しかし南の手がそんな東方の親切を拒否した。 「もう……最悪」 東方の手を離させ、自分の腕で顔を乱雑に拭う。そしてやはり完全に拭える訳がなく、顔に不快感が残る。 南はもう無言で立ち上がって、目の前の東方を無視し静かに部屋を出て行った。そしてバスルームに篭る音が海よりも深く反省している東方の耳にも届いた。 「や……やってしまった」 南のベットの上に身体を預けて、脱力したまま先程までの行為を思い出す。 「南だって自分から進んでやってきたくせに」 確かにこちら側が一方的に悪いとは思うけど、キッカケは南からの行動であった訳で…でも一人で処理しようとした自分に気を遣ってくれた訳でもあり… 「ダ…ダメだ、やっぱり俺が一方的に悪すぎる…」 東方はそのままベットに塞ぎこみ、強く目を瞑った… しばらくたって…南がキレイに汚れを洗い流して部屋に戻ってきたところ、自分のベットを占領して眠っているのか伏せているだけなのか分からない状態の男が目に入ってきた。すっかり動かなくなった東方に対し、さっぱりした気分の南は力いっぱい奴を蹴り飛ばした。しかしそれぐらいではまだまだスッキリしない南は更に、明日提出の友情度の紙に訂正を加える。 70%の文字を消して、10%分減らした数値…60%を書き込んだ。 そして南はその紙をカバンの中に入れて、客用に敷いた布団に身体を沈み込ませる。南の不機嫌は、朝になっても直っていなかったらしい… その後、ゲーム発売へと至る。 END. |