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―不可思議な光景― 朝、突然目覚めると、俺の部屋に南がいた… しかし何故か南は、まるで押し入られた強盗に身体を拘束されているような格好で部屋の片隅に横たわっていた。俺は状況をよく理解できず、とりあえず起き上がり寝間着のまま南に近寄った。後ろ手で縛られて口には布を巻きつかれ、そしてよく見ればなんと下の服を着用していない。上にただ学校のジャージだけを羽織っている。 一体南の身に何があったのか…俺は気になりつつもあまり深くは考え込まず、目の前で声を出せなくて苦しそうにもがいている南を見かねて布を外してやった。すると今まで息苦しかったのか、はあっはあっと荒く呼吸を繰り返し、興奮していたのか顔を真っ赤にして少々目を潤ませジッと俺を見つめてくる。こんな危機的状況にもかかわらず南の視線は普段の部長としての威厳を失ってはいなくて、俺はそんな南に不謹慎にも興奮した。 横たわったままの南を抱き起こし、壁に背中を預ける形で座らせると少し安心したのか呼吸も次第に落ち着きを取り戻す。でも南は自らの口で何も語ろうとはしない。何故こんな状況なのに南は何も話そうとしないのか、俺は不思議に思ったが何故か無理に問い詰める気も起こらなかった。 ただ南の身体を見下ろして、ジャージの裾から覗くすらりと伸びている生身の足に妙な男心をくすぐられて、俺は南の拘束を完全には解かず、黙って見つめてくるその顔に手を添えて、ただ本能のままにキスをした。 すると南は驚いた表情を浮かべて、しかし反論は何もないらしく、受け入れてくれるのかと俺は期待して、もう一度唇を重ねた。今度はもう少し深く… 南から小さく喘ぎが漏れるとまた興奮して、ついつい調子に乗って舌まで絡めてしまう。それでも南は抵抗しない…いや、出来ないのか。しかし嫌がってるようにも見えない。 俺はもう止まらず、朝に自分の部屋で南がこんな姿で現れた不可思議さなど全て忘れてしまって、首筋に口で触れる。舌をいやらしく滑らせて南を煽る。その間にジャージのジッパーを探り指先が見つけると、すかさずそのままゆっくりと下へおろしていく。ジジジ…と生々しい音が鳴ってぞくぞくと胸が高鳴ると、ジャージの下もやはり南は何も着用していなかった。全ては下ろし切らず中途半端に止めて胸元だけを露にする。 南は恥ずかしそうに身を捩っているがどうすることも出来ないらしく、俺の成すがままとなっている。 胸元の先端が、開かれたジャージの隙間から二つ覗いている。 俺はもう見ていられず、その片方を口に含むと執拗に舌で嬲り唇で挟み込んで吸い付けると、さすがに南は耐えられず大きく声を上げて、俺の与える愛撫に反応を示している。逃げるように動く身体を力ずくで押さえ込んで、異様に乳首に執着した。そんなフェチだったかなあと頭の片隅でのんびり考えながら、南も悦んでいる様子だったのでしつこく何度も刺激を与えていく。その内反対側も指先で転がし始めて、見事に双方ともピンと可愛く立ち上がっている。 南はいつも以上に敏感で、硬くなった突起を弄られるだけで喘ぎ、薄っすらと汗をかいて体中に渦巻く熱さから耐えている。そんな上気した顔を見上げて満足感でいっぱいの俺は、でも更に欲望を満たしたくて手は一切緩めない。耳に飛び込んでくる南の甲高い声がとてもいい気持ちにさせて、ご褒美と囁きながら突起を甘噛みしてやった。 ひぃっ…とおののく南の声…まだ耳にこだましている。 それからふと下を向くと、僅かに左右に開かれた南の両足は小刻みに震えて辛うじてジャージで中心部は隠れていたものの、その床には何滴か南が不用意に零したものが落ちていた。そんなそそられるような光景に自然と目がギラつき、もっともっと南に恥ずかしい思いをさせたくて行動だけでなく言葉でも辱めていく。 「南…足の間…濡れてるけど、感じちゃった?」 南はカーッと更に顔を赤くするけれど、首を一生懸命横に振るくらいで言葉では何も抵抗しない。もう口を塞ぐ布もないというのに。 「乳首感じるんだ……これだけでイっちゃったらどうしようか…」 戯言のようにも聞こえるが、今の南には到底笑えない話で、それを立派に身体で証明している。実際乳首に愛撫を加えただけで先走りを零している。甘い声を上げている。本当にこのままずっと胸に刺激を与え続けたら、なかなかお目にかかれない姿を見ることが出来るかもしれない。ただでさえ人に…自分にさえだらしない姿を見せることを嫌う南だ、そんな醜態を晒すなんて本人は耐えられないだろう。だからこそそこまで追い詰めてしまうことに意義がある…変態と罵られようともチャンスを逃すのは男じゃない。 「ほら、気持ちいいだろ」 引き続き南の可愛い突起で遊びながら唾液を湿らすとまた卑猥な光景で、必死で俺に何かを訴えてくるような視線の意味はさほど自分にとっては重要でないことが何となく予測がついたので、行為は止めない。南の痴態だけが見たい。 でもどれだけ続けても決定的な刺激は与えられないようで、南は次第に達せない自分が苦しいらしく腰が微かに揺れ出す。仕方がないので胸を離してやり、今の南の身体の状態をしっかりと目に焼き付けておく。嘗め回すように視線を隅々まで向けて南を視姦しながら、足をもう少し大きく開かせて、肝心な部分が隠されている状態が更に俺の興奮を煽り、思わず唾を飲み込む。濡れているフローリングがまたいやらしくて、その滴の数は先程よりも確実に増えている。 俺の視線は既にそこに釘付けで、南が羞恥に耐えられず顔を背ける。妙に白く感じる南の太ももが誘っているようにさえ感じる。俺の手も無意識に伸びていって、太ももの表面を撫でそれから内側の柔らかい箇所へ手を這わす。手触りよく感じるそこを撫で回して時には軽く掴む。南はその感触が焦らされているようでたまらないらしく、目には涙を浮かべている。全身が震えて解放を求めている。でもまだ何となく南の望むようにしてやる気が起こらず、俺は中心には触れずそのまま内側のみに留めておく。 この刺激的で卑猥な格好のまま南を放っておく。手は後ろで縛ったまま、ジャージも中途半端に脱がしたままで。素肌にただそれだけを纏ってる図も妙に気に入ってしまった。裸でないチラリズム感が余計に息を荒くさせる。 もうなんだか南がアダルト物などでよくある悪戯されている女の子のようにも思えてきて、そのジャージの裾を指先に引っ掛けて、その中の淫らな状態を想像するだけでこっちが達してしまいそうだった。チラチラと裾付近で遊び、南はこの状況に耐え切れず固く目を瞑っている。でもしっかりと瞳を開けて俺を見てほしい。 ああもう捲ってしまおうか…そんな最後の楽しみ的な興奮を味わっている中、俺のボルテージは最高潮まで到達し目の前の南が俗物的な生き物じゃないかとまで錯覚した。もう限界が訪れ我慢できず俺はなりふり構わずジャージの裾を掴み欲望が赴くまま一気に上へと捲り上げた、 するとその時………… 「起きなさい、雅美ーー!!もう朝よーーー!!!」 俺はハッ!とした。 そして慌てて今の状況を確認してみるとなんと…… 南の姿なんてどこにもなく、俺は普通にベッドで横たわっていた。 そしてやっと今までのことが夢だったのだと俺は気付かされる。 一階の階段下から大音量で母親が「起きなさい」とまだ叫んでいる。 正直目覚めがいいのか悪いのか…呆然とする中で、夢の中での濃密な南との時間を思い出す。あのありえないシチュエーション…確かに普通どう考えても現実なわけがない。しかしなんだったんだ、あの変態で淫らな夢は…多分欲求不満だったのだろうけど俺はどうしようもないと溜め息が出た。 悔やむべきところは、さっき一番いいところだったんだ…せめてもう少しだけ時間が欲しかった。 なんで起こしたんだ母さんは!と理不尽に怒ってもまた空しい。 現実では100%起こりえない…口が裂けてもそんなこと南にお願いも出来ない。 間違いなく抹殺される… もし今から二度寝したら…もう一度先程の続きが見られるだろうか? だがそんな都合良く事が進むはずがない… 夢のようなひと時は一瞬で消え、でも今日学校へ行けば南には確実に会える。会えるのは嬉しい、もちろん嬉しい…でもその時俺はあやしい行動を取ってしまわないか心配だ…あっ、あやしい行動といっても変なことを当然するわけじゃなく、不審な態度を取って南に妙に思われないかが心配なのだ。 でもとにかく今一番心配しなけばいけないことは、 この朝っぱらからエロい南のせいで、元気になってしまった己の哀れな下半身の処理であった… END. |